ニコチン依存症

禁煙が長続きしないのは、決して意思が弱いからではありません。喫煙習慣の本質が「ニコチン依存症」であるためです。タバコの煙に含まれるニコチンは麻薬にも劣らない強い依存性があります。
ニコチン依存症のメカニズム

ニコチン依存に至るメカニズムを以下にご説明します。タバコを吸うとニコチンが脳に作用し、快感を感じさせる物質(ドパミン)を放出します。喫煙者には快感と同時にさらにタバコを吸いたいという欲求も生じます。また、しばらくニコチンを摂取できないと離脱症状(イライラ、落ち着かない)も現れます。これらを解消するためまた吸ってしまい、喫煙し続ける悪循環に陥っている状態が「ニコチン依存症」です。
禁煙補助薬
禁煙を始めるとニコチンの離脱症状が現れます。離脱症状には、タバコが吸いたい、イライラする、落ち着かない、頭痛がする、体がだるいなどがあります。タバコが吸いたくなってしまいますが、ここで吸ってしまうと悪循環から抜けられません。離脱症状は一定期間で起きなくなるため、それまで禁煙を続けられるよう上手に過ごすための薬が「禁煙補助薬」です。「禁煙補助薬」には医師により処方され健康保険等が適用されるものと、薬局・薬店で購入する一般医薬品(健康保険等の適用なし)があります。
健康保険で受けられる禁煙治療
一定の要件を満たし、医師がニコチン依存症の治療が必要であると認めた場合に、禁煙治療に健康保険等が適用されます。 標準的な禁煙治療スケジュールでは、12週間にわたり合計5回の診察が行われます。各診察時には、禁煙補助薬の処方のほか、喫煙状況を確認するための呼気一酸化炭素濃度測定や、禁煙を継続するためのアドバイスをうけることができるため、禁煙の成功率が高くなります。
健康保険等で禁煙治療を行う場合、12週間(診察5回)の治療にかかる自己負担額(3割負担として)は、合計13,000~20,000円程度です。
*診療所での診察料、院外処方せん料、保険薬局での調剤料、薬剤料(禁煙補助薬)が含まれます。